厨翠山には、多くのお客様にお喜びいただいている人気の一品があります。
それは、
開業以来毎朝かかさずひいている「出汁」。
一杯目は、塩のみでお吸い物のように。
二杯目は、味噌を加えて。
お好みで手作り豆腐をさっとはなし、削りたての追い鰹の香りとともに三度お愉しみいただいております。
出汁そのものに人間が美味しいと感じる旨味成分が凝縮されているからこそ、私たちの身体に心地よく染み渡ってくれるのでしょう。
この出汁はすべての料理のベースになるもので、厳選した素材を使い、毎朝調理人が心を込めて丁寧にひいています。
「昆布」
第一寶亭留の昆布は「利尻昆布」と決まっています。
表面が硬質で分厚く出し汁が透明で色がつきにくいことから、素材の“色”を大切にする京料理でもよく用いられます。この利尻昆布を一晩つけおきした水を使ってとった「一番出汁」は、透明で香り高い上品な風味が特徴です。
「水」
定山渓から50km離れた虻田郡京極町にある「京極のふきだし湧水」を使っています。
蝦夷富士「羊蹄山」に降った雨や雪解け水が濾過され、数十年の長い時間を経てミネラルたっぷりの水へと生まれ変わった「京極のふきだし湧水」は1985年、環境庁の「日本名水百選」にも選ばれています。
ミネラルウォーターには硬水と軟水の2種類ありますが、羊蹄のふきだし湧水は軟水に分類されます。
pH値も約7.7と中性で、まろやかで甘みのある水なのです。
「塩」
昆布と同じ宗谷地方の塩です。
厨翠山では常時20種類以上の塩を使っておりますが、出汁にあわせる塩はきまって「宗谷の塩」を使っています。
市販塩や海外の塩に比べても、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル類をたっぷり含みます。必須ミネラルであるマグネシウムとともに、希少栄養成分、鉄、亜鉛、銅等も含む「宗谷の塩」は、海水成分を多く含む良質の塩なのです。
雑味が少なく粒も細やかで舌触りも良い。出汁本来の旨味を引き出す名脇役です。