総料理長 夏目と「七席の膳」

第一寶亭留では、6月15日より料理が夏膳に変わります。
各宿の料理長達が「北海道の夏」をお楽しみいただけるような献立を考え、試食会をすすめて参りました。

定山渓第一寶亭留翠山亭の三階にある特別食事処「湯相七席(ゆあいしちせき)」では、総料理長の夏目智博が献立を考えた和食コース・七席の膳をご用意いたします。

「飾りよりも、味。」
職人気質で口べたな彼がポツリと言った一言は、まさに今回の料理の核を表す言葉でした。

見た目から考えずに、本質的な味わいから献立を考えていく。
皿の上で表現した時には一見シンプルに見えても、見えないところで細かな手作業を重ねる。
そんな総料理長 夏目智博のまっすぐな想いが込められた夏の「七席の膳」を、一足先にご紹介させていただきます。


季節の一品は「雲丹ととうきびのピューレ」。
北海道の夏の恵みを感じる一皿です。フレッシュなとうきびの甘さに、根セロリを炊いて生クリームと合わせたピューレのやさしい風味が調和しています。


突き出しは「トマトのロワイヤル」。
表面には和出汁とコンソメを合わせたジュレを流し、涼やかな印象に。実は、味わいのアクセントに夏らしい遊び心を加えています。こたえは実際にお召し上がりいただいてからのお楽しみに…。


前菜は白味噌とチーズを合わせて炭火焼きした皮付きヤングコーンが目を惹きます。手前の太刀魚酒盗焼きは、焦げないように弱火の酒でゆっくり戻した酒盗を塗って炙ることで、ひと手間分の味わいの違いが発揮されます。
そのほかにも鰻巻き、枝豆真薯、鮑素焼きと、素材の魅力を活かした滋味深い一品が並びます。


お次はビーツのすり流しと昆布出汁を合わせたお椀でほっと一息。
大きな帆立の焼き霜は、硬くならないよう三枚おろしにしています。


お凌ぎの一貫目は、有馬山椒のジュレを添えた和牛の握り。
もう一貫は、花咲蟹をからすみの原料ともなるボラ子の酒盗と合わせたもの。ついつい、お酒がすすみそうです。


「北海道の鯛」と呼ばれるソイや鮪、北寄貝などが並ぶお造りには、水茄子を添えて。噛むと昆布出汁にとおした茄子の水分が口いっぱいにジュワッと広がり、素材本来のみずみずしさに驚きます。「野菜のお刺身」として存在感のある一品です。


揚げ物の主役は時知らず。栄養成分がたっぷり含まれた真菰筍とバジルを包み、香り高い後味をお楽しみいただけます。


強肴は炭火で焼き上げた北海道産牛のロース。新鮮なグリーンアスパラやカブとともに、北海道らしい山わさびのソースでお召し上がりください。


湯相七席の夕食の定番は、土鍋ご飯です。
たっぷりの塩昆布と生姜を合わせて炊き上げた北海道米は、ふっくらツヤツヤ。


ご飯のお供に、定山渓にある燻製工房「カゼマチマートと燻製デザイン研究所」のスモークサーモンと野沢菜を合わせた「ふりかけ(?)」をご用意させていただきます。そのままでも、お酒のつまみになりそうな一品です。
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夕食のさいごは「湯相のあんみつ」を。
2020年の湯相七席オープンから続けてきた、食後のデザートです。
香料や安定剤などを使わず、素材の旨みを大切に作る「雨ノ日と雪ノ日」のジェラートを使い、あんみつ仕立てでお召し上がりいただきます。

 

湯相七席にご案内できるお客様は、一日七組のみ。
支度の様子が伺える4つの席と、3つの個室があります。
派手なパフォーマンスはありませんが、厨房では料理人が真面目に寡黙に手を進めています。

「湯相」とは茶席でお湯を沸かす際の丁度良い温度のこと。
客人をもてなす一服のために、湯の沸き具合に目配り気配りし、最適の湯相でお茶を振る舞う…。
茶の湯の心に、私たちが大切にする料理を通したおもてなしの心を重ねました。

ご用意するお料理は今回ご紹介した「七席の膳」と、第一寶亭留最高グレード和食膳「一(いち)」の2コースです。
それぞれの時間をお愉しみいただける特別な食空間で、お客様の心に一番寄り添えるお料理を目指します。

定山渓第一寶亭留翠山亭

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※食事処は「湯相七席」の他に「桑乃木」「松庵」がございます。